不帰着点の話


 だいぶ以前の鈴木保奈美主演のドラマで、長塚京三鈴木保奈美に語りかけるシーンがあります。最初に、長塚は、不帰着点というものの説明をします。不帰着点というのは、飛行機の滑走路にあるもので、そこを超えたら、飛行機は何が何でも離陸しなければならないそうです。不帰着点を超えて離陸しなかったのなら、減速しても間に合わず、大事故に至るからです。その説明の後で、長塚は鈴木に言います。 「人生にも不帰着点があります。あなたにとって大事な選択を、しっかりとして下さい。」 


私が最近、思うのは、人生でも不帰着点を超えてから、フライトに思わぬトラブルの兆しが見つかることもしばしばあるということです。そういう時、自分の離陸の際に手を振って送り出してくれた人達の温かい気持ちを覚えているのなら、そして、自分は大人であるという自覚があるのなら、しっかりと助けを求めたり、相談を持ちかけたりするものではないでしょうか。 


時々、自分は大きな夢を追ったり、大きな挑戦をしたりはしないと豪語する人もいます。けれど、一見、いわゆる無難な選択を決断し続けていても、いつの間にか、その人の心の内も、苦しい思いでいっぱいになっていることも往々にしてあるのではないでしょうか。そういう場合もやはり、助けを求めたり、相談を持ちかけたりして、自分の選択をいい決断だったと振り返られるときが来るように努力をすることが大事なんじゃないかと思います。 


私も、たとえ最初に思い描いた通りにではなくても、自分なりの目的地を目指して、飛行を続けていきたいと思っています。