自分らしい人生

私が高校生の頃、山口智子主演の29歳のクリスマスというドラマがありました。山口智子が、いつもかっこいいわけではないけれど颯爽と生きる女性を演じていて、セリフ以上に訴えかけるものがありそうな表情が今でも印象に残っています。私にとってのとっておきのシーン、それは山口智子が真っすぐな目をして 「私は何かある度に自分に傷を作ってきた。それが私の人生。私はその自分の人生が好き。これからも自分の人生を好きでいたい。」 セリフの細かい言い回しなどは、私の記憶も正確ではないと思いますが、そんなことを山口智子が言い放ったこのシーンで、一番、爽やかで力強い笑顔を見たようにも記憶しています。


 趣は180度変わって、幅広い大人に子供心を呼び起こしてくれるドラえもんの一話。ヘソリンガスという道具の話があります。私はなぜかずっと、いたくないないガスと記憶していたのですが、ネットで確認したらそんな名前。ドラえもんがガソリンスタンドのタンクのようなものを出して、それから出るガスを吸収すると、心も体も痛いと感じることがなくなるという道具。テストは0点も多くて、ケンカをすれば殴られてこてんぱにされて、何をやってもさえないことが多いのび太君は使ってみて大喜び。何をされても、何があってもへっちゃらだと、気に入って、町中の人にも使わせてあげてしまいます。ところが、それを知ったドラえもんのび太君に大激怒。やはりセリフの記憶は正確ではありませんが、ドラえもんのび太君に言い放ったことのだいたいは 「なんて大変なことをしてくれたんだ。人は痛いと思うから傷に気づくし、痛いと思うからこそ自分を守れるんだ。」 


山口智子ドラえもんも訴えかけようとしたことの共通項を私なりに取り出せば、 傷を作って痛いと思うことも大事なこと。


 そして私がここに書きたくなるのは 自分の生きたいと思う人生を生きようとすれば傷を作ってしまうこともある。傷を作ってしまった自分をちょっとバカかなとも思いつつ、その傷に学んで次に進める。痛いって思えてよかったんじゃない? みたいな。


 何かと選択肢が多い現代社会だけれど、痛いと思うこともある心と、傷に学ぶような機会もなければ、自分を大切に、それなりに納得の自分らしい人生を生きることも難しいんじゃないかと思います。 


因みに、そうは言っても、うわって言うくらいのストレスに自分の心が潰れてしまいそうとさえ感じることもあるので、私は意識的に時々、心のメンテナンスも。私が習慣的に取り入れていることの一つは、自分が好きなことをすることです。高校生時代、色々とストレスが重なって大変だったときに頂いたアドバイスも受けて、自分が好きなことは?と自分に問いかけて思い浮かんだことを実行。今は、もうすぐ2才の息子との毎日なので、あまり選択の余地はありませんが、たいていは好きな音楽を聴くことです。片耳端子を利用しつつヘッドフォンで聴けば、家事をしながらでも楽しめて、息子が何やら騒ぎ出したら気が付けます。出産後は、自分の気分に合わせた、テーマごとのプレイリストも作るようになりました。2ヶ月に一度は、必ず新しいCDを購入して、ささやかな自己投資。自分にとって大切な日本語との巡り会いになることもしばしば。よかったらお試しください。