机につけ

 パソコンは私の大の苦手分野です。大学生の頃から、パソコンの使用を伴う作業を思い浮かべただけで気怠くなるほど。でも、それなりに、パソコンを使わないとどうしようもないので、よく、パソコンが得意な兄にちょこちょこと質問をしていました。兄が結婚をしてからも、週末に実家に来た時などに、「お兄ちゃん、ちょっと教えて。」の一言で。でも、そうしたら、私があまり吸収しないうえに、あまりに気安くよく質問をしすぎたのか、兄に、 「ちょっとは自分で考えろ。」 と叱られてしまいました。けっこうショック。兄に叱られたからというのではなく、これから先、誰にパソコンのことを質問をしていいのか、当てが思いつかないという理由で。それで、苦肉の策で、兄に一つ、質問をしました。 「どうやったらパソコンができるようになるの?」 と。そうしたら、兄が一言、 「パソコンの前に座れ。」 と言いました。


 それで、実際に、パソコンを使わなくてはならないときには、根気強くパソコンの前に座り続けることにしました。さすがに、私の場合、パソコンの横に分厚いマニュアルを複数用意ですが。でも、それで、ともかくカチャカチャやっていると、必要最低限のことはどうにかなる。しかも、ほんのちょっと、小さなことでも、一つできる度に、なんだか嬉しかったり、楽しかったり。久しぶりに兄もいいことを言ってくれたなと思いました。 


今でも、やっぱりパソコンは苦手分野なので、基本的に、頑張ろうとは思いません。でも、兄が言ってくれた言葉のパロディーで、「机につけ」という命令形くらいの言葉を自分にたまにはかけてみようかなと、最近、思い立ちました。気が付けば、必要に駆られて本を開くのではなく、ただ楽しむために机につくような機会はほぼなくなっていました。出産前は、主人のいない平日の昼間、リビングで、4、5時間、学習をすることもそう珍しくはありませんでした。息子が加わり三人家族になった今、自分のことをする時間をしっかりと確保するのはなかなかです。学習を続けていったとして、それが、何かの結果につながる道筋のようなものが、必ずしもあるわけではありません。それでも、何かを味わい楽しめるのは、私自身の積み重ねもあって持ち合わせている強みでもあるからというのもあり、机につく時間を設けようと、まずは環境整備をしてみました。主人にアイデアをもらい、リビングの隅に置いてあった、私用の小さい丸テーブルを、ほんの一回り大きい、四角いテーブルに置き換えてみたので、テキストとノートを開いても、前よりちょっとじっくりできそう。食事用のテーブルで、主人が私と背中合わせにワイン片手にiPadでも、気が散らないように、ノイズキャンセリングヘッドフォンも準備。まだまだ、息子が熟睡したころに帰ってきた主人と、その日の息子の行動録などについてちょっとおしゃべりでもしたら、たいていは私はだいたい電池切れです。でも、家事の効率化も心がけて、ちょっとずつでも、エネルギーを残して置けるようにできていったらと思っています。


 因みに、実家の弟が、高校生の頃に、よく、ファミレスで勉強をするから帰りが遅くなると言っていました。色々な状況からしても、ファミレスで勉強だけで帰りが遅くなるのではないことも家族はよくわかっていました。ただ、実際にファミレスで勉強をしていたことも本当。父が、「勉強はああいうところでするものではない。」と言っていました。それでも、弟の担任の先生との面談の予定のとき、早く着いて、弟がいつも勉強するというファミレスに行って、父も書類と本を広げてみたそうです。そうしたら、父が、「あれはあれで、確かに落ち着くと言えば落ち着く。」と言っていました。私も、スタバやドトールなどのお世話になったことがあります。この間、家族でマックに行ったら、2階は、学習中の学生さんにほぼ占領されていました。諸々の事情もあり、マックで勉強には、私はしばらくは縁遠そうです。