笑顔



笑顔


大学に入学してからかなりの間、私は自分の大学のキャンパスに足を踏み入れるのが、嫌で仕方がありませんでした。いつも、うつむき加減で、見るからにも重そうな足取りで正門から校舎に続く道を歩いていたんじゃないかと思います。


母校の同窓生や関係者の方々への大変な失礼とも知りつつ、ここに本音を書くのなら、その頃の私は、その道を辿りながら、いつも、「私はここに通うために、あれほどの努力を積み重ねたのではない。」と、心の中でぶつぶつと呟いていたと記憶しています。でも、卒業して十五年ほど経って、私がここに素直に書けるのは、それだけではなく、キャンパスに足を踏み入れると、本当に楽しそうに明るく笑う、同級生のその笑顔が目に入ってくるのが辛かったんだと思います。


「私もいつかあんなふうに笑える日がまたやって来るのだろうか」

そんな問いかけを、心の奥底に押し込めていたようにさえ、今、振り返ります。

「自分の本当の笑顔を大切にしたいと願い続けているのなら、私は自分の大事な笑顔を忘れることは決してないのではないか」それが、今の私がここに書けることです。これを、私の人生の大切な学びの一つとして、しっかりと抱いていきたいと考えています。